東日本大震災に伴う福島第一原発事故は、放射性物質の大気中への放出によって環境汚染を引き起こし、
東北3県をはじめ近県の人々の心身や生活に少なからぬ影響を及ぼし続けています。
当社が本拠地とする千葉県においても、震災直後に被災認定を受けた市町村が存在し、
液状化現象やライフラインの寸断などを多くの人々が経験しました。
そして福島県を中心とした放射性物質の除染作業の一日も早い完了は、現在も喫緊の課題となっています。
当社では、清掃業のプロとして培ったノウハウを活用し、
被災地の復興支援の一助としたいとの思いから、放射能除染作業を事業の一つに加えました。
放射能に関する知識について出来うる限り学び、行政の動きと連動しながら研鑚を積んだ結果、
除染作業の技術は自信を持って提供できるレベルに達したと自負しています。
ここで言う「除染」とは、大気中に放出された放射性物質による環境汚染が、
人の健康や生活環境に及ぼす悪影響を、すみやかに低減させることを指します。
そして除染作業は、放射性物質汚染対処特措法に基づき、国が責任を持って行う災害復興への取り組みです。
国による除染作業の指針は、除染特別地域と汚染状況重点調査地域とに分けられ、
それぞれの状況に応じて計画を策定し、作業の実施およびフォローアップまでを1セットとしています。
放射性物質の線量は、目に見える汚れを除去することで低減できるので、
建物などの構造物の徹底した洗浄に始まり、植物の剪定、草むしり、
落ち葉など堆積物の除去、表土の除去などが主な作業内容になります。
放射性物質が付着した表土や植物などは、いったん麻袋に詰められますが、
現時点では最終処分施設が未定で処分方法も確立していないため、
一時的な保管場所として敷地内などに穴を掘削して埋設することになります。
最も懸念される健康への影響を最小限に抑えるには、線量測定による数値化が欠かせません。
当社では、作業の前後に線量測定を行い、除染成果の確認を持って作業の完了としています。
被災地における一日も早い復興と健やかで安心な暮らしのために、
清掃のプロである私たちは、除染の現場でも持てるノウハウをいかんなく発揮します。